能登半島周辺の海藻

~能登詞藻庵(のとしそうあん)の海藻日誌~

能登島 海藻散策~2021.02.25~

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2021年2月25日

とても気持ちの良い日和となったこの日、能登島へ海藻散策へ出かけました。

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波穏やかな今日このごろ

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まだ少し寂しいかな...

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潜りたいな

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カバノリ 毎年生えてくるね

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マクサかな?

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柔らかそうなベッド

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真ん中の海藻何だろう?

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ぷにぷに

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こういう二又分枝する紅藻苦手

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ノコギリモクかな? 生時はこんなにきれいな色

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岸壁は色々生えていておもしろいの

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夏の昼下がりみたい

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カヤモノリ

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良い天気

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青空

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莫語花(なのりそ)の森

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色んな種類のホンダワラたち

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楽しい

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イソモク ミヤベモク ウミトラノオ

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食事処 みず 今日はアジフライ定食に焼き牡蠣

良い一日でした!

能登半島周辺の エンドウモク Sargassum yendoi について~2021.03.02 改訂二版~

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日本に産する南方系ホンダワラ類の中で、本州でも一般によく観察される種類に

エンドウモク

Sargassum yendoi

があります。

私が初めてエンドウモクについての記事を書いてから1年以上が経過しました。

この間に生殖器床を付けた個体を採集したり、付着器を有する個体を更に複数観察することが出来ました。

また日本国内で流通している図鑑や発表された総説、ホームページはその多くが太平洋岸で採集された個体を用いて解説されています。

日本海側のエンドウモク個体を試料とした例は少ないのが現状です。

そこで新たに日本海側のエンドウモクを紹介することを目的とし、過去の記事を全面的に改訂して、2021年3月現在の最新バージョンとして公開することにしました。

過去記事は記録としてそのまま残すので、よろしければ以下のリンクからどうぞ。

1.藻体

能登半島周辺において打ち上げ採集でエンドウモクを拾うと、小さくて1m、大きいと2~3mを超える個体があります。

過去に自分が打ち上げ採集で得た最大の個体は、葉長が360cm(付着器欠)でした。

ところが図鑑を開くと、多くは大きさについて40~60cm程度と記してあります。

以下に各図鑑のエンドウモクの高さ(大きさ)を示します。


瀬川宗吉 1977.原色日本海藻図鑑 増補版.保育社. 40~50cm
千原光雄 1990.学研生物図鑑 海藻.学習研究社,東京. 50~60cm
千原光雄 1970.標準原色図鑑全集15 海藻 海浜植物.保育社. 50~60cm
田中次郎 2004.日本の海藻 基本284.平凡社,東京. 0.5~1m
島袋寛盛 2014.日本産南方系ホンダワラ属 11回目:平たい主枝をもつエンドウモク. 海洋と生物 36: 403-407. 40~60cm

 

なぜ図鑑の表記と打ち上げ個体とで数字の乖離があるかというと、図鑑は太平洋岸で採集された個体を元にしているからです。

現実では日本海側と太平洋岸でエンドウモクはその大きさに顕著な違いがあり、日本海側では藻体がより大きく成長する傾向にあります。

またこれは私見ですが、側枝が分枝する間隔も日本海側の個体の方がより広いと思っています。

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ラベルはノコギリモクだがエンドウモクの誤同定

石川県 かほく市 2019.04.03 打ち上げ採集

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石川県 能登島 2021.01.22 打ち上げ採集

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富山県 氷見 2021.02.12 打ち上げ採集

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石川県 能登島 2021.01.22 打ち上げ採集

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複雑に絡み合った巨大な藻体

石川県 かほく市 2019.04.03 打ち上げ採集

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石川県 かほく市 2020.01.09 打ち上げ採集

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富山県 氷見 2021.02.28 打ち上げ採集 葉長360cm

珠洲などの奥能登では付着器を備えた完全な個体が打ち上がることも多いです。

しかし私の住む石川県中部ですと千切れた枝先だけが流れ着くことがほとんどです。

またアカモクやノコギリモク、ヨレモク、フシスジモクといった他のホンダワラ類に比べ、打ち上がる頻度は極めて低いと感じています。

2.付着器

一般にエンドウモクは盤状の付着器を有するとされています*1*2

能登半島周辺で打ち上げ採集したエンドウモク各個体は、以下のような形状の付着器を有していました。

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個体No.1 石川県 能登島 2019.12.21 打ち上げ採集

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個体No.2 石川県 能登島 2019.12.21 打ち上げ採集

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個体No.3 石川県 能登島 2021.01.06 打ち上げ採集

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個体No.4 石川県 九十九湾 2021.02.19 打ち上げ採集

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個体No.5 石川県 九十九湾 2021.02.19 打ち上げ採集

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個体No.6 石川県 九十九湾 2021.02.19 打ち上げ採集

盤状から小さな円錐状、こぶ状、輪郭不明瞭な個体まで形態に幅が認められます。

基質としている貝類の形に合わせて立体的な形状に見えることもあるようです(個体No.5)。

サンプルが打ち上げ個体のみの為バイアスがかかっている可能性もあるので、より多くの個体や海中での生体の観察が望まれます。

とはいえ典型とされる盤状根を持つ個体も確かに生育しているようです。

3.茎

茎は円柱形で付着器から1本(まれに2~3本)が直立して伸び、表面はいぼ状になるとされます*3*4

この特徴は採集した個体すべてで共通して観察されました。

また茎は分枝することも多数ありました。

以下の写真の個体は全て石川県九十九湾産、採集日は2021年2月19日です。

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エンドウモクの付着器から生じる茎

茎表面に見られるいぼ状突起は、主枝もしくは葉の脱落痕であると思われます。

よって越年数が多い個体ほど茎が伸長し、脱落痕も多くなる傾向にあると推察されます。

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茎から生じる主枝といぼ状突起の様子

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1年目藻体と茎

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越年藻体と茎

1年目藻体と越年藻体とで明らかに茎の大きさが異なることが分かります。

この茎の様子も日本海側-太平洋岸で異なるのか、将来的に比較してみたいです。

4.主枝

主枝は偏圧した2稜形で、茎の頂端よりらせん状に生ずるとされます*5*6

今回観察した個体では、1年目個体では茎の頂端部より主枝が生じていましたが、越年個体では伸長した茎の側面から主枝が伸び、頂端部からは葉が生じていました(上記2図参照)。

断面については、茎から出た直後は円形ですがすぐに偏圧して2稜形となります。

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主枝は根元は円柱形だがすぐに偏圧していく

石川県 九十九湾 2021.02.19 打ち上げ採集

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主枝の断面図 偏圧した2稜形であることがわかる

石川県 九十九湾 2021.02.19 打ち上げ採集

この平たい主枝はエンドウモクの大きな特徴の一つです。

主枝からは互生的に側枝や葉が生じており、それらは2稜形の主枝の稜側から生じていました。

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石川県 能登島 2021.01.06 打ち上げ採集

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石川県 能登島 2021.01.06 打ち上げ採集

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石川県 能登島 2019.12.21 打ち上げ採集

エンドウモクが属する Sargassum属(Genus Sargassum) は Sargassum亜属(Subgenus Sargassum)と Bactrophycus亜属(Subgenus Bactrophycus)に大別されます。

エンドウモク自身はこの内 Sargassum亜属(Subgenus Sargassum)に分類されています。

そして主枝の稜側から枝葉を出すのはこの Sargassum亜属 の極めて重要な形質なのです。

またこの特徴により、エンドウモクは全体として平面的な枝ぶりとなります。

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Sargassum亜属の枝の出方

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Bactrophycus亜属の枝の出方

5.葉

付着器に近い部分の葉もしくは初期葉は全縁~ゆるい鋸歯状で、縁辺はゆるく波打ち、形は披針形から長楕円形をしています。

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石川県 能登島 2019.12.21 打ち上げ採集

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石川県 能登島 2021.01.06 打ち上げ採集

太平洋岸(千葉県)で採集されたエンドウモクについて、初期葉で分枝が確認されています*7

日本海側でもこの特徴は見られるのでしょうか。

残念ながら私はエンドウモクの幼体を未だ見たことがなく、この場で答えは出せません。

一方で付着器付近の新芽の部分においては、分枝する葉を確認しました。

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右側の葉が上部で分枝している

石川県 九十九湾 2021.02.19 打ち上げ採集

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多くの分枝が見られる個体

石川県 九十九湾 2021.02.19 打ち上げ採集

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富山県 氷見 2021.02.28 打ち上げ採集

藻体中~上部の葉は細長い披針形で、鋸歯もしくは重鋸歯を有しています。

葉の先端は尖るものとやや鈍頭のものがあり、中肋は埋在した形で明瞭に葉の先端まで達し、基部は左右非対称です。

葉のふちは波打つものもあります。

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石川県 能登島 2019.12.21 打ち上げ採集

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石川県 能登島 2019.12.21 打ち上げ採集

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石川県 能登島 2021.01.06 打ち上げ採集

基本的にエンドウモクの葉は分枝しないとされます*8

しかし藻体下部も含め、極まれにではありますが、分枝する葉が見られることがあります。

単に裂けたわけではなく、中肋が両方の裂葉に伸びていることを確認しています。

これが日本海側に特有の現象なのか、太平洋岸でも見られるのかは不明です。

さらに標本の数を増やして検証する必要があります。

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富山県 氷見 2021.02.12 打ち上げ採集

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富山県 氷見 2021.02.12 打ち上げ採集

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石川県 能登島 2019.12.21 打ち上げ採集

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石川県 能登島 2019.12.21 打ち上げ採集

ただし分枝する葉がある場合でも、その割合は藻体全体のごく一部もしくは一枚のみで、やはり極めてまれにしか生じません。

6.気胞

気胞は球形で冠葉を持たず、気胞自体よりも長い柄を有しています。

これはエンドウモクの大きな特徴の一つです。

髄糸はなく、まれに柄の部分に小さな棘を有します。

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石川県 能登島 2019.12.21 打ち上げ採集

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石川県 能登島 2019.12.21 打ち上げ採集

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柄に棘を有する気胞

石川県 能登島 2019.12.21 打ち上げ採集

またまれに柄の部分に大きな翼を持つことがあります。

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石川県 志賀町 2021.02.03 打ち上げ採集

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石川県 志賀町 2021.02.03 打ち上げ採集

7.生殖器

日本海側と太平洋岸で大きく異なるのが生殖器床です。

太平洋岸では雌雄同株で、生殖器床は葉の腋に密に集散状に生じます*9

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新井章吾(1996):形態的特徴からみた日本海におけるスギモクの進化とホンダワラ属フィロトリキア亜属の種分化についての仮説. のと海洋ふれあいセンター研究報告. 2.17-27.

一方で日本海側では雌雄異株であり、生殖器床は葉の腋から伸長する小枝に生じます*10

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新井章吾(1996):形態的特徴からみた日本海におけるスギモクの進化とホンダワラ属フィロトリキア亜属の種分化についての仮説. のと海洋ふれあいセンター研究報告. 2.17-27.

以下に実際に打ち上げ採集で得られたエンドウモクの生殖器床を示します。

写真は全て富山県氷見産、採集日は2020年6月28日です。

まずは雌性生殖器床を付けた個体です。

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雌性生殖器床を有する打ち上げ個体 全体図

富山県 氷見 2020.06.28 打ち上げ採集

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次に雄性生殖器床を付けた個体の写真です。

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雄性生殖器床を有する打ち上げ個体 全体図

富山県 氷見 2020.06.28 打ち上げ採集

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雌雄どちらの生殖器床も途中で又状に分枝することがあります。

また今回は確認できませんでしたが、接合果の特徴を持つことがあります*11

また新井(1996)によれば、太平洋岸タイプの雌雄同株となる個体が福井県にも産することから、これからも生殖器床を付けた個体を注意深く観察していくことが求められます。

8.まとめ

能登半島周辺(日本海側)に産する褐藻

エンドウモク

Sargassum yendoi

は、太平洋産に比べ

 

①藻体が巨大になる

②雌雄異株であり、生殖器床は葉の腋から伸長する小枝に生ずる

 

以上の点で大きな違いがあることが分かりました。

これらのことは以前から明らかになっていましたが、参考にすべき文献資料へのアクセスに手間がかかることやネット上にある画像などは極めて限られていました。

私自身がこうした情報を入手するのに大変苦労したので、自分自身へのためも含めて、ここに情報をまとめておきたいとおもいます。

なお私はホンダワラの専門家ではなく、個人的趣味としてこの記事を執筆しました。

内容に関してはそのすべてが科学的検証に基づくとは限らないことをご了承くださり、参考程度に捉えてくださいますようお願い申し上げます。

本記事を執筆するにあたり

 

島袋寛盛 2014.日本産南方系ホンダワラ属 11回目:平たい主枝をもつエンドウモク. 海洋と生物 36: 403-407.

新井章吾 1996.形態的特徴からみた日本海におけるスギモクの進化とホンダワラ属フィロトリキア亜属の種分化についての仮説. のと海洋ふれあいセンター研究報告 2:17-27.

 

を大いに参考にさせていただきました。

ありがとうございました。

*1:島袋寛盛 2014.日本産南方系ホンダワラ属 11回目:平たい主枝をもつエンドウモク. 海洋と生物 36: 403-407.

*2:吉田忠生 1998.新日本海藻誌.内田老鶴圃,東京.

*3:島袋寛盛 2014.日本産南方系ホンダワラ属 11回目:平たい主枝をもつエンドウモク. 海洋と生物 36: 403-407.

*4:吉田忠生 1998.新日本海藻誌.内田老鶴圃,東京.

*5:島袋寛盛 2014.日本産南方系ホンダワラ属 11回目:平たい主枝をもつエンドウモク. 海洋と生物 36: 403-407.

*6:吉田忠生 1998.新日本海藻誌.内田老鶴圃,東京.

*7:新井章吾(1996):形態的特徴からみた日本海におけるスギモクの進化とホンダワラ属フィロトリキア亜属の種分化についての仮説. のと海洋ふれあいセンター研究報告. 2.17-27.

*8:島袋寛盛 2014.日本産南方系ホンダワラ属 11回目:平たい主枝をもつエンドウモク. 海洋と生物 36: 403-407.

*9:島袋寛盛 2014.日本産南方系ホンダワラ属 11回目:平たい主枝をもつエンドウモク. 海洋と生物 36: 403-407.

*10:新井章吾(1996):形態的特徴からみた日本海におけるスギモクの進化とホンダワラ属フィロトリキア亜属の種分化についての仮説. のと海洋ふれあいセンター研究報告. 2.17-27.

*11:島袋寛盛 2014.日本産南方系ホンダワラ属 11回目:平たい主枝をもつエンドウモク. 海洋と生物 36: 403-407.

能登産海藻 紅藻 クシノハ (Dasyclonium flaccidum) の紹介

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去る2021年2月6日、石川県能登半島某所にて紅藻

クシノハ

Dasyclonium flaccidum

を採集することができました。

ノコギリモク (Sargassum macrocarpum) の葉を基質としていました。

クシノハについては記述のある図鑑も少なく、また学名で検索してもネット上にあげられている画像も少ない状況です。

そこで私が撮影した画像を公開いたします。

撮影にはオリンパスのTG-5を用いました。

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全体図。基質はノコギリモクの葉。

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肉眼でも櫛の歯状の分枝がよくわかります

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動画はこちら。

操作音が大きいのでご注意ください。


能登産紅藻クシノハ(Dasyclonium flaccidum) その1


能登産紅藻クシノハ(Dasyclonium flaccidum) その2

 

一連のツイートはこちら。


クシノハは岡村金太郎先生の時代には既に知られた海藻で、先生の『日本藻類図譜 第1巻』には詳細な図版が収録されています。

分布域も広く『新日本海藻誌』によれば本州、四国、九州、朝鮮半島に見られます。

岡村先生の『日本海藻誌』では産地に”氷見, 能登”の地名が見られます。

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岡村金太郎 1936.日本海藻誌.内田老鶴圃,東京: 876-877.

岡村先生ご自身が四高(金沢)時代に採集されたのだろうか、などついつい頭の中で考えてしまいますね。

種の特徴は、

体は他の海藻の上を匍匐し...

枝の2節ごとに短条を互生する。

短条の向軸側に5–8本の羽枝を2節ごとに生ずる。

 吉田忠生 1998.新日本海藻誌.内田老鶴圃,東京: 1020-1021.

です。

実際に観察してみると確かに羽枝が向軸側に2節ごとに生じています(下写真)。

この特徴によってその名の通り、櫛の歯のような見た目となるのですね。

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2節ごとに生じる羽枝

以下に参考のためクシノハの記述のある手持ちの国内図鑑を列記します。

岡村金太郎 1936.日本海藻誌.内田老鶴圃,東京.

吉田忠生 1998.新日本海藻誌.内田老鶴圃,東京.

瀬川宗吉 1977.原色日本海藻図鑑 増補版.保育社.

大島勝太郎 1950.富山湾海藻誌.大東出版文化協會,東京.

福井県植物研究会 2000.福井のシダと海藻.福井県県民生活部自然保護課,福井.

田中次郎 2004.日本の海藻 基本284.平凡社,東京.

 

私自身は今回の採集によって初めて本種の存在を知りました。

とても美しい海藻なので、これからはより気を付けて見ていきたいと思います。

富山 氷見の海藻 第3回 ~2021.02.12~

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能登半島周辺のホンダワラ科植物を紹介するHPを将来的に立ち上げたいので、そのひな型としてこのブログを頑張って更新していこうと思う。

当面は個別の海藻種の紹介と打ち上げ採集の様子をゆるく伝える2パターンになるかなぁ。

今回は後者、海藻が生えている様子をお届けしようと思う。

前回の氷見の記事から早1年と3ヶ月も経ってしまった。

cladoalgae.hatenablog.com

お気に入りの氷見某所。

この日は波も穏やかで潮もよく引き、長靴だけでいつもは見れない場所の海藻も観察することが出来た。

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突堤に生えた海藻たち

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ウミトラノオホンダワラ類の中でだいぶ高い所にも生える

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一つの岩に生える多種多様な海藻たち

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生時のヒジキ。潮間帯の発達しない日本海側では珍しい。ウミトラノオと生育場所を競合している。

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みずみずしいヒジキ

↑の写真にはホンダワラの仲間として「ウミトラノオ」「ヒジキ」「ミヤベモク」が写っている。

一見して美しいヒジキに見惚れるが、その裏には基質をめぐる激しい種間競争が繰り広げられている。

現に一月後にはヒジキだけがいなくなっていることも過去にあった。

自然は美しいが厳しい。

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ヒジキの繊維状付着器。仮根を伸ばし基質に張り付いている。

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オキツノリだろうか、赤色が美しい。

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紅藻類もよく見られる。カバノリ、ミリン、スギノリなどが写っている。

一時間かからずに約25種類の海藻類を観察することができた。

私はメジャーどころしか種類が分からないので、実際にはさらにたくさんの種類が生えていることだろう。

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観察されたホンダワラ

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観察された褐藻、緑藻類

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観察された紅藻類その1

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観察された紅藻類その2

ここで採集したジョロモクの押し葉標本がきれいにできた。

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ジョロモクの押し葉標本

一連のツイートはこちら。

最後に標本にした種名をリストアップしてお別れです。
サンゴモ類を同定できるようになりたいなぁ。

・アナアオサ

・ウスカワフクロノリ

・ハバノリの仲間

・ウミウチワ

・ヒジキ

・ジョロモク

・エンドウモク

・ヤツマタモク

アカモク(雌雄の生殖器床をそれぞれつける)

・イソモク

・ミヤベモク

・ウミトラノオ

・ワツナギソウ

・フシツナギ

・コスジフシツナギ

・スギノリ

・オキツノリ

・コメノリ

・ミリン

・カバノリ

・シラモ

・ツルシラモ

・ムカデノリ

・ヒラムカデ

・サンゴモ類2種

2020年秋 北海道海藻採集 16日目 紀行編 ~マリモ、その愛~

2020年10月8日

釧路~阿寒湖~釧路

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本日より海藻採集からはしばらく離れ、旅の紀行文がメインとなっていきます。

それでも少しは海藻・藻類の話題を何とか入れたいと思っていますので、お暇なときに読んでいただけたら嬉しいです。

そう考えると、この一連の北海道遠征のブログは、打ち上げ採集だけでなく、北海道における人と海藻・藻類の関わりを紹介する、そんな立ち位置になるかも知れないです。

させ今日は朝一で釧路のある砂浜を見てみましたが、コンブの仲間がすこ~しだけ打ち上がっているだけでした。

もう採れないとわかっていても、つい浜をのぞいてしまうこの性...

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なんにも落ちてねぇ...

いやだって、釧路ですよ。

ここより東はコンブの楽園で、図鑑でしか見たことのなかった種類がごまんと生えているのです。

限りあるチャンスを無駄には出来ません。

アイヌワカメ科の珍種であるクシロワカメや稀少なエナガコンブが落ちている可能性があるのです。

ならば万難を排してでも、日に一度は海を見るべきでしょう。

なんにせよこうして夢破れた私は、おとなしく阿寒湖へ向かうことにしました。

釧路市街からは車でおよそ1時間20分程度で行くことが出来ます。

 

阿寒湖の周りはもうすでに木々が色付き始め、美しい紅葉が楽しめるようになっていました。

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温泉は明日にして、せっかくなので今日は観光船に乗って阿寒湖クルーズを楽しむことにしました。

「まりもの里桟橋」と呼ばれるターミナルがあるので、そこで乗船券を購入します。

車は近くの有料駐車場に停めました。500円です。

もし旅館やホテルに宿泊しているのであれば、十分歩いて来られる範囲です。

阿寒湖温泉街はそんなちょうどいい大きさなのです。

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こちらはターミナル正面 モーターボートでの遊覧の窓口はここ

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普通の遊覧船の乗船券はこの建物の中で買う

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大人一人2000円 go to のクーポン券使えます

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こちらは時刻表

もう一か所「幸運の森桟橋」という所からも乗船できます。

そしていよいよ出港です。


2020年秋 北海道海藻採集 16日目(1) 阿寒湖 観光船

この日は風は少しありましたが、湖面は鏡のように凪いでいて、船の航跡がはっきりと分かりました。

岸辺の紅葉が湖面に写って、本当に美しかったです。

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やがて船は阿寒湖に浮かぶチュウルイ島に到着しました。

ここには「マリモ展示観察センター」があります。

停泊時間は15分ですが、ちゃんとそれで見て回れたので、心配ありません。

もし展示されているマリモの写真をゆっくり撮りたいなら、列の最後尾に並ぶと良いです。

たいていの人はすぐ通り過ぎていってしまうので、シャッターチャンスが増えます。

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本物の生きたマリモが展示されている

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巨大マリモも展示されている

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マリモの一生を簡単に学べる展示がある

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丸くなる

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くずれる

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2020年秋 北海道海藻採集 16日目(2) 阿寒湖 マリモ展示観察センター

在島時間は15分と短いですが、かなり満足できる展示でした。

本物のマリモをかなりの数見ることが出来るので、結構楽しいです。

クルーズは約1時間20分で終了。

今からの時期は紅葉も進み、景色はさらによくなっていくので、絶対におすすめです。

お昼に食べた「まりもラーメン」。

スープをかけることで、緑色にかわってマリモっぽくなります。

マツモかな...?

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それでは。

2020年秋 北海道海藻採集 15日目 ゴヘイコンブ 見果てぬ夢

2020年10月7日

塘路~霧多布~釧路

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晴天となった15日目、私は3日前に

ゴヘイコンブ

Laminaria yezoensis

が採れた霧多布の浜へ再び向かいました。

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なんと気持ちのよい朝でしょう

浜に着くとさっそくゴヘイコンブを探し始めましたが、残念ながらもう打ち上げはほとんど砂に埋もれていました...

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今日の浜

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3日前の浜

こうして打ち上がったコンブ達は土に還っていくのね...

早々に見切りをつけ、霧多布周辺の浜辺を見てまわることにしました。

しばらくして、ある良さげな浜辺を発見。

ちょうど漁師さんがコンブを拾っていました。

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その漁師さんにゴヘイコンブが採れるかどうかを聞いてみました。

「ゴヘイコンブ」

の名前ではなかなか話が通じません。

「へいそく」

の名前が出た途端に、漁師さんはすぐに分かってくれました。

やはり土地の呼び名というのは偉大ですね。

その漁師さんは養殖ウニに食べさせるコンブを拾っていました。

人間用の良いコンブはもっと早いうちに拾ってしまっているようです。

拾いコンブ漁が9日までだそうで、これまで道沿いに眺めてきた昆布干しの様子も、もう少しで見納めのようです。

そして肝心のゴヘイコンブですが、干し場にまとめて捨ててあるとのこと。

さっそく漁師さんの軽トラに乗せてもらい、干し場へ直行!

大半はもうどこかへ持って行ってしまった後のようでしたが、それでも残っていた分を全部お譲りくださいました!

ゴヘイコンブを探す者など当然初めてだったようで

「こんなのどうするの?」

という感じでしたが、海藻が好きでこの珍しいコンブの標本を作りたいんです、などとおしゃべりしていると、向こうも笑顔でそうか、そうかと聞いてくれました。

いただいたゴヘイコンブは、朝水揚げしたコンブに紛れてついてきたもので、いつもよけて棄てているようです。

話を聞くと、「へいそく」はほかのコンブを変色させてしまうため、漁師さんたちからは嫌われていました。図鑑に書いてあった通りです。

いただけたゴヘイコンブの中には盤状の付着器が残った個体もあり、

「根っこがあるのは珍しいよ」

とのことで、付着器つきの個体は漁師さんでもあまり目にしないようです。

さらにご好意で、昆布干しの様子も撮影させていただけました。

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晴天のもとで行われる昆布干し

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コンブの採れる浜に生まれ、その浜で生きる...なんと素敵なのでしょう

「なが」と「あつば」を拾って、干しているとのことでした。

それぞれナガコンブとオニコンブのことでしょうか?

ゴヘイコンブに関しては、荒天の後など条件がそろわなければ、なかなか打ち上げでは見つからないと思います。

そういう意味では3日前は本当に幸運でした。

なのでどうしても見つけたいときは、浜で漁師さんに直接聞いてみるのが一番手っ取り早いと思います。

日本で一体何人がこの情報を必要としているかは疑問ですが(笑)。

以下にいただけたゴヘイコンブの写真をはります。

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長きにわたった北海道海藻採集も、本日をもって本格的な採集は最後となります。

このあとは北上して稚内を目指しますが、ぽつぽつ浜を見てよほど良いものがあれば拾う程度になると思います。

ここまでご覧いただき、本当にありがとうございました。

明日以降は観光メインの紀行文になると思います。

それでは。

2020年秋 北海道海藻採集 14日目 北国羅臼を後にして

2020年10月6日

中標津羅臼塘路

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早いものでもう自宅を出発してから2週間となりました。

そろそろ海藻採集も潮時です。

自宅の冷凍庫がもうパンパンであると家人から連絡があり、物理的に海藻を拾う限界が来てしまったのです。

行程的にも今日訪れた羅臼をもって、道東の代表的コンブ生育地は網羅できたので、ちょうど良かったでしょう。

1.標津

ここは海浜公園になっていて、簡単に浜辺にアクセスできました。

打ち上げもご覧の通り。

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残念ながらもう古くなって傷みがひどく、標本などにもできない状態でした。

もう2~3日早く来ていれば、きっと素晴らしい打ち上げ観察が出来たことでしょう。

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またこの公園から車で少し行ったところの浜も見てみました。

こちらはまだ多少は水気の残った多くの個体が打ち上がっていました。

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それにしてもこのコンブ

ニコンブ(Saccharina japonica var. diabolica)

の若いのなのかな。

カラフトトロロコンブ(Saccharina sachalinensis)

じゃないのかな、もしかして...

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そしてコンブと同じくらいアナメ(Agarum clathratum)も打ち上がっていました。

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カラカラに乾燥していましたが、襟裳~根室で採れるアナメと違い、穴の大きさは小さくまた穴の周りが隆起しています。

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これはかつて品種ザラアナメ(Agarum cribrosum f. rugosum)とされていたアナメです。

今日では遺伝的な違いがないことから、アナメ(Agarum clathratum)のシノニムとされています。

暖流の影響を受ける北海道沿岸で広く採集されます。

 

2.羅臼その1

羅臼町手前の海岸の様子です。

比較的新鮮なコンブ類や種々の海藻が多数打ち上がっていました。

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こちらにもアナメ(ザラアナメ)が。

比べてみるとだいぶ違いますね。

私は襟裳~根室で採れる平滑なアナメが好みです。

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羅臼産アナメ

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藻散布産アナメ

う~ん、この中帯部に凸凹模様を持つコンブは本当に何なの?

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ニコンブ?

カラフトトロロコンブ?

誰かわかる方がいらっしゃいましたら、どうぞ教えてください。

その他にもご覧のような海藻が打ち上がっていました。

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このホンダワラは何だろう?

自宅でゆっくり観察することにします。

 

3.羅臼その2

ここからは道の駅 知床・らうす で見つけた海藻関連商品の紹介です。

羅臼昆布(羅臼周辺で水揚げされたオニコンブの食品・流通名)関連商品がずらっと並べられています。

中にはかなりのお値段がするものも。

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こちらは

らうすこんぶてぬぐい

です。

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私はずっと手ぬぐいを集めるのを趣味にしてきたので、一石二鳥でした。

見た瞬間、即買いです。

また道の駅入り口には実物の乾燥オニコンブが展示されていて、このご時世でも触ることが出来ます。

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これを見ると中帯部には凸凹模様は残っていませんね...

なぞは深まるばかり...

 

さて羅臼まで来ました。

できれば

アツバスジコンブ(アツバミスジコンブ)

Saccharina kurilensis

を見たかったですが、残念ながら打ち上がっておりませんでした。

この先オホーツク海側と日本海側には

チヂミコンブ

Saccharina cichorioides

リシリコンブ

Saccharina japonica var. ochotensis

が生えていますが、それは機会があればこの旅後半で探すことにします。

明日以降は再び霧多布、厚岸周辺に戻り、ゴヘイコンブをもう一度探すことにします。

あの感動が忘れられないのです。

果たして再び拾うことは出来るのでしょうか?

それでは。