能登半島周辺の海藻

~能登詞藻庵(のとしそうあん)の海藻日誌~

2020年秋 北海道海藻採集 15日目 ゴヘイコンブ 見果てぬ夢

2020年10月7日

塘路~霧多布~釧路

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晴天となった15日目、私は3日前に

ゴヘイコンブ

Laminaria yezoensis

が採れた霧多布の浜へ再び向かいました。

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なんと気持ちのよい朝でしょう

浜に着くとさっそくゴヘイコンブを探し始めましたが、残念ながらもう打ち上げはほとんど砂に埋もれていました...

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今日の浜

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3日前の浜

こうして打ち上がったコンブ達は土に還っていくのね...

早々に見切りをつけ、霧多布周辺の浜辺を見てまわることにしました。

しばらくして、ある良さげな浜辺を発見。

ちょうど漁師さんがコンブを拾っていました。

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その漁師さんにゴヘイコンブが採れるかどうかを聞いてみました。

「ゴヘイコンブ」

の名前ではなかなか話が通じません。

「へいそく」

の名前が出た途端に、漁師さんはすぐに分かってくれました。

やはり土地の呼び名というのは偉大ですね。

その漁師さんは養殖ウニに食べさせるコンブを拾っていました。

人間用の良いコンブはもっと早いうちに拾ってしまっているようです。

拾いコンブ漁が9日までだそうで、これまで道沿いに眺めてきた昆布干しの様子も、もう少しで見納めのようです。

そして肝心のゴヘイコンブですが、干し場にまとめて捨ててあるとのこと。

さっそく漁師さんの軽トラに乗せてもらい、干し場へ直行!

大半はもうどこかへ持って行ってしまった後のようでしたが、それでも残っていた分を全部お譲りくださいました!

ゴヘイコンブを探す者など当然初めてだったようで

「こんなのどうするの?」

という感じでしたが、海藻が好きでこの珍しいコンブの標本を作りたいんです、などとおしゃべりしていると、向こうも笑顔でそうか、そうかと聞いてくれました。

いただいたゴヘイコンブは、朝水揚げしたコンブに紛れてついてきたもので、いつもよけて棄てているようです。

話を聞くと、「へいそく」はほかのコンブを変色させてしまうため、漁師さんたちからは嫌われていました。図鑑に書いてあった通りです。

いただけたゴヘイコンブの中には盤状の付着器が残った個体もあり、

「根っこがあるのは珍しいよ」

とのことで、付着器つきの個体は漁師さんでもあまり目にしないようです。

さらにご好意で、昆布干しの様子も撮影させていただけました。

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晴天のもとで行われる昆布干し

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コンブの採れる浜に生まれ、その浜で生きる...なんと素敵なのでしょう

「なが」と「あつば」を拾って、干しているとのことでした。

それぞれナガコンブとオニコンブのことでしょうか?

ゴヘイコンブに関しては、荒天の後など条件がそろわなければ、なかなか打ち上げでは見つからないと思います。

そういう意味では3日前は本当に幸運でした。

なのでどうしても見つけたいときは、浜で漁師さんに直接聞いてみるのが一番手っ取り早いと思います。

日本で一体何人がこの情報を必要としているかは疑問ですが(笑)。

以下にいただけたゴヘイコンブの写真をはります。

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長きにわたった北海道海藻採集も、本日をもって本格的な採集は最後となります。

このあとは北上して稚内を目指しますが、ぽつぽつ浜を見てよほど良いものがあれば拾う程度になると思います。

ここまでご覧いただき、本当にありがとうございました。

明日以降は観光メインの紀行文になると思います。

それでは。