2020年秋 北海道海藻採集 13日目 カラフトトロロコンブ
2020年10月5日
1.根室
根室市内のホテルを出発した私は、納沙布岬へ向かう途中、良さげな浜辺があったので打ち上げを見に寄ってみました。
天候は大間以来となるあいにくの雨模様でしたが、幸いに本降りにはならず、傘と帽子でしのげる程度でした。
そして見てください、この大量の打ち上げを!
目標はへいそく(幣束;ゴヘイコンブの別名)を拾うことです。
これだけ打ち上がっていれば1個体くらいあっても良さそうなものですが、残念ながらゴヘイコンブを見つけることは出来ませんでした。
やはりレアものなのでしょうか。
かわりに
ネコアシコンブ
Arthrothamnus bifidus
が打ち上がっていました。
1条の葉しか持っていないので、1年目の若い藻体です。
しかしその基部には、ちゃんと”耳”の部分が形成されていました。
ナガコンブのような葉ですね。
立派な藻体です。
2020年秋 北海道海藻採集 13日目(1) 根室 ネコアシコンブ 打ち上げ
すみません、横方向で動画撮影したつもりが、縦方向の動画になってしまいました。
見にくくて申し訳ありません...
その他の採集品です。
コノハノリの仲間。
トロロコンブ
Saccharina gyrata
スジメ
Costaria costata
アイヌワカメ
Alaria praelonga
...などが採れました。
アイヌワカメは大量に打ち上がっていて(それもかなりデカい!)、道東では普通種なのでしょうか?
見慣れていない私には、すごく贅沢な光景でした。
葉の幅だけで15cm前後もあった個体です。
アイヌワカメは4mにまで成長するようなので、チガイソよりだいぶ大きくなりますね。
その他打ち上げの様子です。
2020年秋 北海道海藻採集 13日目(2) 根室 海藻 打ち上げ
2020年秋 北海道海藻採集 13日目(3) 根室 海藻 打ち上げ
2.納沙布岬
中には昭和30年代の納沙布岬での昆布漁の写真が飾られていました。
馬に籠を担がせ、そこに採ったコンブを入れて干し場まで運んでいたようですね。
現在の納沙布岬の昆布干し場です。
納沙布岬のほんの目と鼻の先にあり、強風吹き付ける場所です。
干した昆布が飛んでいかないか心配です。
3.床丹
羅臼へ向かうために、今日は途中にある中標津で一泊することにした私は、たまたま立ち寄った別海町の床丹の浜で思いがけないコンブと出会うことが出来ました。
カラフトトロロコンブ
Saccharina sachalinensis
です。
運よく2個体拾うことが出来ました。
カラフトトロロコンブは網走から知床半島、羅臼、標津、根室に至る範囲に生えているコンブです。
中肋の両脇に凸凹模様をもち、老成体はこの模様が薄くなります。
葉の縁辺は基部近くでは平滑ですが、真ん中あたりから波状のひだを作り大きく波打つようになります。
今回採集した2個体は、共にあまり状態は良くありませんが、縁辺での波状のひだや葉面の凸凹模様が認められ、また粘質に富むことから本種と同定しました。
道東は本当にコンブの種類が多くて、浜歩きが楽しくて仕方ないです。
明日は羅臼に向かいます。
出来ればアツバスジコンブを見てみたい!
それでは。