フシスジモク Sargassum confusum の腊葉(押し葉)標本
私が能登半島周辺で打ち上げ採集をしていて、最もよく目にする海藻の一つが
フシスジモク Sargassum confusum です。
盤状の付着器に陸上植物のような大きな葉をしており、比較的簡単に同定することができます。
その一方で本種の形態変異の幅は大きく、葉の形も藻体の上下で均一なこともあれば大きく分かれることもあります。
各種図鑑・サイトでもこの葉の形の変異の大きさはよく言及されており、同定する際のポイントの一つにもなっています。すぐ隣同士の葉であっても、片や全縁、片や鋸歯の時もあり、何とも不思議な海藻です。
私が押し葉標本を作り始めてから約1年がたち、フシスジモクの押し葉も少しずつ数が増えてきましたので、この場を借りて作成した押し葉をまとめていきたいと思います。
能登半島周辺で見られるフシスジモクについて、その形態変異の範囲を少しでも理解できる一助となれば幸いです。
(ブログは記事の更新が容易に行えるので、今後も新たな個体や面白い形の個体が採集された際は、この記事にどんどん追記していく予定です)
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以下に3つのタイプを示しますが、あくまでも大まかな目安として筆者が考案したものです。また各タイプに明確に分けられる個体は少なく、主観に基づく分類であることをお断りしておきます。→タイプ4 分かんねぇやつ も加えました。
- タイプ1 葉の大小や形が異なり、それが藻体全体に現れるもの
- タイプ2 葉の大小や形が藻体上下で異なるもの
- タイプ3 葉の大小や形が藻体全体で比較的均一なもの
- タイプ4 どれに分けていいのか微妙なもの
いかがでしたでしょうか。
フシスジモクは枝ぶりに癖がなく、標本にしやすい海藻です。
同じホンダワラ類でも、例えばヨレモクは枝ぶりが固くゴワゴワしているので、整枝しにくいです。
この記事は随時更新していきます。
初回掲載:2019年11月7日