能登半島周辺の海藻

~能登詞藻庵(のとしそうあん)の海藻日誌~

2020年秋 北海道海藻採集 7日目 室蘭慕情

2020年9月29日 鹿部~国縫長万部~室蘭
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私は今このブログを、室蘭の道の駅で夜の潮風に当たりながら書いています。
室蘭港は鏡のように凪ぎ、時々涼やかな夜風が潮の香りを運びます。
前夜のように少し背伸びしたホテルに泊まるのも良いですが、こうして穏やかな夜を書き物をしながらひとり過ごすのも良いものです。
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さて、今日は北海道茅部郡鹿部町のホテルを出たのち、すぐ目の前に広がる岩場で打ち上げ採集を行いました。
幸いにマコンブやチガイソがぽつぽつと打ち上がっていました。
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北海道での採集を始めて2日目ですが、こういう岩場の浜にはコンブ類が打ち上がっていることが多いです。
逆に付近に岩場のない砂浜海岸は、さすがの北海道と言えど何も落ちていないことがほとんどです。
時化の後や大潮ならあがるのかも知れませんが、ひと所に依らない旅行者には難しいです。
この磯で採れたチガイソです。
立派な胞子葉です。見ていて飽きません。
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こちらはマコンブかな。
本当に美しいです。
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あまりに美しすぎてついほうぼうの浜に寄ってしまい、遅々として行程が進まない上、道東に着く前に自宅の冷凍庫がいっぱいになる恐れもあるので、ここで思いきって一気に室蘭まで行くことにしました。
途中、国縫(くんぬい)漁港を望む砂浜を見ましたが、やはり何も無かったです。
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国縫漁港は海に突き出た海上要塞のような漁港です。
そして国縫に続く長万部(おしゃまんべ)で昼飯にしようと思っていたのですが、入りたかったお店が休みでした。
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とほほ…
かわりに近くのお店で食べたのがこちら、ホッケフライ定食(900円税込)です。
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思ったよりあっさりとした味でした。
うん、ホッケは焼いたのが一番おいしいかな(※個人の感想です)。
北海道にいる間に、もう一回はおいしい焼いたホッケが食べたいですね。
ここ長万部は6年前、私が大学生だった頃の一人旅中、コンビニで買い物をしていたらオカマされた因縁の土地です。
店員さんに「金沢ナンバー…のお客様」と呼ばれた時の絶望感たるや…
幸いにほんのかすり傷だけだったので、助かりました。
一応警察呼んで、検分してもらいました。
相手は地元の家族連れで、小学校低学年の娘さんが警察呼んだことに興奮してはしゃいでいましたね…
まぁ、子供だから(ご両親は普通の方々で、向こうの保険で傷直してもらいました)。
そんな長万部から一路室蘭へ。
道央自動車道で1時間半ほどです。
意外と早い。
室蘭は山田幸男先生が海藻研究所(北大臨海実験所の前身)を立ち上げたほど、海藻が豊かな場所です。
採集地として有名なチャラツナイ浜へ続く道は、残念ながら閉鎖されてしまいました。
かわりにたくさんの人におすすめ頂いたのが、ここ電信浜です。
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砂浜海岸ですがすぐ近くが磯場なので、打ち上げを見つけることが出来ました。
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砂に埋もれ、傷んでいるものが多かったので、先日の低気圧による荒天の際に打ち上げられたのかも知れません。
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少し気になるコンブを見つけました。
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中帯部に凸凹模様を持っています。
もしかしてエンドウコンブ?
エンドウコンブは室蘭港外や伊達市沿岸のみに生える希少なコンブです。
中帯部の凸凹模様と葉の両縁が波縮するのが特徴です。
う~ん、マコンブでも1年目の藻体はこのような凸凹模様を持つことがあるし、波縮度合いがゆるいので、普通のマコンブなのかな?
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凸凹を持つ個体と持たない個体。
う~ん、分からないのでしばらく保留ですね。

さて今夜は道の駅 みたら室蘭 (室蘭市白鳥大橋記念館)に車中泊です。
夕陽がとてもきれいな場所で、夕暮れ時にはたくさんの人で賑わっていました。
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こんな山の上にあるお家、素敵ですね。
毎日こんなにきれいな夕陽が見られるのはうらやましいです。
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旅が進むにつれ、車中泊をしていると寒くなってきました。
これまでブランケットでしのげる位でしたが、次からは寝袋を出すかも知れません。
明日は朝もう一度、電信浜を見てみます。
それではまた。